Go to BUILD WELL !! may the imagination be with you...........
s s s s Taboo
lego

黒く長い筒。
レゴで表現してあるそれは、黒い円筒型の部品を何個も
繋げて本物そっくりの質感を出すのに成功している。

え、何のことかって?

銃身ですよ、銃身。
今年の新製品#3451複葉機の機首には、 なんと機銃が2門装備されているんですね。
それもそのはず、この複葉機は第一次世界大戦の有名な戦闘機なんです。
商品名も実機そのままで、ずばりSOPWITH CAMELという直球勝負(^^;
とにかくこの飛行機は軍用機、それはレゴ社自らが認めているわけです。

コレがホンモノ んでこれがレゴ。やっぱちょっとデフォルメキツイね〜


ちょっと感のするどい方なら、今までレゴ社はこういった軍用機を
発売してこなかった、そう思いますよね?
まあこの際スターウォーズのXウイングが軍用機か どうか、なんて議論は
置いておくとして(笑)、現実世界の軍用機がレゴの製品に選ばれたのは初めてのことです。

ま、ぱっと見じゃ軍用機とは思えないほどのクラッシックな雰囲気が出ている
この複葉機、確かに「血」の陰が見えませんね。
むしろ茶色のカラーリングが醸し出す「木」の雰囲気がします。
でもこの飛行機は紛れもなく戦闘機でした。今から80年以上前に1294機もの
敵機を撃墜している事実もあります。


創立以来、レゴ社は「戦争」「性」「暴力」「差別」「死」といった
道徳的かつ人道的にネガティブな要素を自社製品から排除しようとしてきました。
しかしながらレゴ社が辿ってきた道、そして彼らが選択してきたやり方というのは、
ワタシにとってはどうやら「自己の禁忌との葛藤」に見えてなりません。

そもそもレゴ社の製品とはなんでしょう?

我々大人が考える価値観ではなく、あくまでも子供に与えるべきもの
という本質を考慮すれば「知育玩具」であるはずです。
そしてそれが子供から大人までも魅了し続けているのです。
だから知育玩具としての本質を見据えれば、性や暴力といった
要素を排除しようというのはある意味で必然であるし、
それこそレゴの魅力の一つですよね。

子供に買ってあげよう! 素晴らしいレゴ社の製品 子供が喜ぶいいおもちゃ!

しかし人間の内面が求める物は、レゴ製品の理想論の様には
いかない、これも事実なのかもしれません。
性も暴力も戦争も死も、全て人間が現実的に、そして本質的に
興味を持ち、求める対象であるはずです。
巷にあふれるSEX、人間を殺す為の兵器である戦車や戦闘機や銃、
これら全てを否定することは誰にも出来ないし、これが「人間の内面の一部」だと
いうことは自分も含めて認めざるを得ないでしょう。
だからこそ市場が(人間が)求める物を提供し、販売することによって
収益を上げるレゴ社とて、避けて通れない物もあるはずです。


レゴ社は、自分達が避けて通れない対象を「ぼかして表現する」ことで
これを乗り切ってきた、ワタシはそう考えます。


巧いですよね。彼らの手法は。
例えば骸骨の人形、「死」を正面から捉えるのではなく、
キャラクター性を持たせることにより、現実の世界の「死」を
忘れさせる技巧には頭が下がります。
争いや戦争といった物は、現代を生きている人間に取って限りなく
遠い記憶や史実、もしくは空想の世界の中のレゴセットでだけ行われます。
17世紀頃の記憶が残っている人間などいませんよね。だからこそ
海賊船と大砲のセットを安心して売ることが出来る。

しかし戦いというのは別にそれが空想であっても、歴史の古い1ページであっても
本質が変わることはありません。

だから作る側も買う側も、本当はその本質を理解しているんですよ。
あからさまな表現だけは避ける、こうした言い訳を続けてきたんです。
(あきらかに「性」と「差別」だけは排除してきたが・・・・)

レゴ社は障害者を差別しません。例え義足義手でも、きちんとフィグ化しますよ


我々大人のユーザーは、物事の本質をレゴブロックによって取り違えてしまうほど
愚かではありませんから、性への興味がある人間は「自己表現」としてブロックと
向き合ってきたし、暴力が好きなレゴファンはミニフィグに鮮血表現を施して
あげるわけです。
今までもこういった「好き者」のレゴ表現には散々楽しませて
貰いましたし、ワタシ自身「鬼畜レゴの殿堂」という裏レゴサイトを主宰しております。

久々に画像登場のリベラ。嫌いな人多いですな 産婦人科from鬼畜レゴの殿堂 素晴らしきお客様の作品の片鱗(笑)

もちろんこういった「個人レベルの禁忌」はレゴ社にとって何も意味を成さない
のですが、社会に向け、なおかつ影響と衝撃を与えながら発表される物は
「レゴにおける禁忌という概念」を再考させてくれる物なのかもしれません。
それはレゴ社に取っても、そして我々ユーザーに取っても、です。


市場が求める物、そして売れる物、を提供していくことにレゴ社という企業の本質が
あるのならば、彼らが自ら課してきたtabooを破るのは「必然」です。
そして、徐々に時間が経つにつれ、それはエスカレートの一途を辿ります。

最初はミニフィグに剣を持たせることから始まり、次第に斧や弓矢に変わる。
そして近代兵器も登場する。
海賊はマスケット銃を撃ち、船には大砲が装備される。
やがてリボルバー式回転銃が登場し、ライフルも出現。
最後はビームサーベル(笑)

なんてこった、こりゃ兵器の進化の歴史だ(^^;

そして今年は戦闘機が解禁になりましたね。
しかも機銃が2門装備されているわけです。
しかも時代設定は「近現代」。


市場が求める物を察知すると、徐々に徐々に自己のtabooの限界を緩めていく。
これはレゴ社の現在の姿です。


ナチスだけ。
多分ナチスだけでしょうね。

そういう意味ではやっぱりリベラの表現って良く悪くもインパクトあるね。

将来に渡っても禁忌とされるのは。


ワタシが死んで、何十年も経ったらシャーマン戦車のセットやコルセア戦闘機の
セットが発売されるんでしょうね。
いやひょっとしたら、ワタシが死ぬまでにレゴ社オフィシャルセットの零戦が
発売されるかもしれない。
ジェット戦闘機のセットの登場はもっともっと早いでしょうね。
モデルチームF-14!とかいうのは来年出てもおかしくないです。

レゴはどこへ向かっていくのでしょうか。
黄色いミニフィグと別荘のセット、こんなのが売れた時代は
とうの昔に終わってしまったのかもしれません。

ワタシは彼らの将来のアナウンスを予想する事が出来ます。

「世界の平和と正義を守り、戦争を早期集結させることに貢献したあのB-29がS@H限定で発売です!!」

出たら多分ワタシは買うと思いますが・・・:-)



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